“教えてもらえる”ことが、こんなにあるなんて
気づかされたのは、こちらの方でした
日々の暮らしの中で、高齢の方とお話をする機会があると、
「えっ、そんな工夫があるんだ!」
「そんな考え方もできるんですね」と驚かされることがあります。
例えば、食材を無駄にしない知恵や、昔ながらの掃除のコツ、ちょっとした手仕事の工夫など。
それは本で読むのとも、ネットで調べるのとも違う、“体験からくるリアルな言葉”です。
そして何よりも、誰かのことを思って続けてきた積み重ねの中にある優しさが、こちらの心にもスッと届いてくるのです。
「教える」より「共有する」つながりを
高齢者の方が持つ経験や知識は、時に「古いもの」として扱われてしまうことがあります。
けれど、本当に大切なのは、その知恵を「今の暮らしにどう活かすか」。
そして、その“伝え方”を押しつけるのではなく、一緒に味わい、学ぶ姿勢です。
「〇〇を教えてください」と声をかけるだけで、話が弾み、笑顔が生まれます。
すると、ただ知識を得るだけでなく、心と心がつながる体験になります。
そんな「教える人」「教わる人」という関係性を超えた、“共有する社会”をつくることが、これからの地域にとって大切だと感じています。
港区だからこそできる、世代を超えたコミュニケーション
港区には、多様な価値観と人生経験をもつ高齢者の方が多くいらっしゃいます。
企業で活躍してきた方、子育てや地域活動に尽くされてきた方、海外での経験をもつ方——
その誰もが「まちの財産」であり、「未来への語り手」です。
たとえば:
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子育て世代が悩んだとき、ほんの一言で肩の力を抜いてくれる“人生の先輩”
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地域の歴史や文化をガイドとして案内してくれる“語り部”
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空き時間に地域の花壇を手入れしてくれる“まちの守り手”
こうしたかかわりが増えるだけで、まちはもっと温かく、豊かになっていく気がします。
そのためには、区として「参加のきっかけ」をもっとわかりやすくつくること。
そして、年齢を理由に“遠慮させない社会”を育てることが大切です。
最後に:たった一言が、誰かの未来を変えるかもしれない
私自身、ある高齢の方の何気ないひとことに、大きく背中を押されたことがあります。
「あなたなら、できると思うよ」と。
たったそれだけの言葉が、どれほどの力になるか。
その言葉の背景には、きっと長い人生で見てきた人の姿、信じてきた希望があるのでしょう。
そんな力を、もっとまちの中で活かしていけたら——
港区はきっと、年齢に関係なく“生きがい”と“つながり”を感じられる場所になるはずです。